オーストラリア滞在記 パース編①

約10年前の話だが、当時のことを最近よく思い出すので、覚えている範囲で回想録として書いていく。

 

当時、海外旅行にはまっていた私は、車の購入資金として貯めていた100万円強の残高を見て、ふと思った。

「これだけあればしばらくの間海外に行けるな」

そう思い始めたら車の事など忘れて、毎日のように海外へ行くことだけを考えていた。

日頃から「海外に住んでみたい」、「英語を話せるようになりたい」と漠然と思っていたので、「南半球に行ってみたい」という動機も付け加えて行先はオーストラリアに決めた。

 

まず始めにどの街に行こうか考えた結果、西海岸にあるパースに行くことにした。

理由はシドニーメルボルンよりコンパクトな街で田舎育ちの私に向いていると思ったからだ。(行ってみたら大都会だった。)

そして何より、海なし県在住で「西海岸」という響きに強く憧れを抱いていたからだ。

早速、ワーキングホリデービザを取得して海外生活の準備を進めた。

 

そして2009年4月、私は意気揚々とパース空港に降り立った。

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シャトルバスでパースの中心街まで行きバックパッカーズ(ドミトリースタイルのホテル)を探した。

当時の私は行き当たりばったりの旅がカッコいいと思っていて、何の下調べもせずにパースまで来てしまっていた。

こっちの方だろうと勘を頼りに軽い気持ちで歩き出したが、やっと見つけたのは予算オーバーのホテルだけだった。

スマホも無く英語も話せない私は、重いバックパックを背負いながら途方に暮れた。

一刻も早く荷物を降ろして楽になりたかった。

気を取り直し中心街まで戻り覚悟を決めて、インフォメーションセンターのスタッフに英単語とゼスチャーで説明し何とかバックパッカーズの場所を教えてもらった。

そこは私が探し回った方向とは逆方向で、しかもインフォメーションセンターから徒歩5分という立地だった。安いだけあって1部屋に2段ベットが8個ある16人部屋だった。ここでは数日過ごした。

 

パースでは2ヵ月間英語を勉強する予定だったので、語学学校からホストファミリーを紹介してもらい彼らの家にホームステイする事になった。

家は学校がある中心街からバスで10分程の閑静な住宅街にあった。

着いてすぐ親父さんが近所を車で案内してくれて、最寄駅の場所や家のルールを教えてもらった。

バックパッカーズでの数日間は旅行気分だったが、ついにオーストラリアでの生活が始まる実感が湧いてきた。

ホームステイ初日は、学生に戻れるウキウキ感と新しい出会いへのドキドキ感で、人生で最高レベルの夢と希望に満ち溢れた精神状態だったと思う。

 

To be continued